骨盤の歪み - 市川さくら整骨院

「骨盤の歪み」という病名は存在しません。そもそも、骨盤自体が歪むわけではなく、お身体のさまざまな要因によって「歪んでいる」と錯覚してしまうことがあります。

例えば、右半身に重心がかかることが多い、重い荷物を左側ばかりで持つといった日常のクセが原因で、体のバランスが崩れることがあります。その結果、特定の筋肉が収縮しやすくなったり、逆にうまく伸びなくなったりすることがあります。このような左右差が生じることで「自分の骨盤が歪んでいる」と感じてしまうのです。

また、体内の臓器の位置は左右対称ではないため、必ずしも骨盤が左右均等になるとは限りません。ただし、筋肉の収縮が極端に強くなると、下半身の筋肉ばかりを過剰に使うなどの影響が出ることがあります。そのため、適切なケアを行い、バランスを整えることが大切です。

骨盤は、脊柱の一部である仙骨や尾骨、さらに寛骨（腸骨・恥骨・坐骨）で構成されています。強靭な靭帯によって支えられており、関節としての可動域はほとんどありません。しかし、日常生活の動作や長年のクセ（脚を組む・背もたれに寄りかかって座るなど）によって、姿勢が乱れ、少しずつ歪みが生じることがあります。

骨盤の歪みは、前後・左右・回旋方向へ複合的に起こることがあり、その結果、脚の長さが異なって見える下肢長差や腰痛、足のむくみ、首の痛み、肩こり、冷え性などが生じやすくなります。また、身体が疲れやすく、だるさを感じやすくなることもあります。

姿勢不良や日常生活でのクセが骨盤の歪みを引き起こす主な原因ですが、その他にもいくつかの要因が考えられます。

筋力バランスの乱れ
骨盤には大小さまざまな筋肉が付着しています。特に、身体を支えるインナーマッスル（腸腰筋・腹横筋・外旋六筋など）の筋力が低下すると、アウターマッスルの使用頻度が増え、筋力のバランスが崩れることで歪みが生じやすくなります。

運動不足
運動不足によって筋力が低下すると、利き足や軸足にかかる負荷が増加し、骨盤に過度な負担がかかることで歪みやすくなります。

過度な運動
運動のしすぎも注意が必要です。片側に負荷がかかりやすくなることで、骨盤のバランスが崩れる可能性があります。

妊娠・出産
妊娠中は胎児を支えるために骨盤が後方へ傾きやすくなります。また、出産時にはリラキシンというホルモンの影響で靭帯や関節が緩むため、産後に骨盤のバランスが崩れやすくなります。

ケガや事故の後遺症
転倒や事故などによる衝撃が骨盤や周囲の筋肉に影響を与え、歪みの原因となることもあります。

骨盤の歪みを放置すると、さまざまな健康問題が引き起こされる可能性があります。具体的には以下のような影響があります。

骨盤の歪みは、全体の姿勢に影響を与え、背中や首の痛みを引き起こすことがあります。また、骨盤が歪むことで腰にかかる負担が増え、慢性的な腰痛が引き起こされることがあります。

さらに、骨盤の歪みは股関節や膝関節に不均等な負担をかけ、痛みや不快感を引き起こすことがあります。骨盤は内臓を支える役割も果たしているため、歪みがあると内臓の位置や機能に影響を与え、血流が悪くなり、むくみや冷え性を引き起こすことがあります。

妊娠中や出産時に骨盤の歪みがあると、出産時の痛みや難産のリスクが高まることがあります。

骨盤の歪みにおける当院の施術方法は、骨盤に対する矯正施術です。骨盤の歪みそのものを矯正し、施術を行います。

また、骨盤の歪みの他に筋肉の硬さなどが影響している場合は、矯正施術に加えて筋膜ストレッチや骨盤剥がしなどを行い、骨盤と筋肉の両方にアプローチすることで骨盤の歪みを軽減することを目指しています。

骨盤矯正には、瞑眩反応という倦怠感、眠気、痛み、発汗などの反応が出る場合があります。これは体が良い方向に変わる際に起こる好転反応であり、決して悪いことではありません。施術後は、水をいつもより多めに飲み、安静にするようにしてください。もしあまりにも酷い場合は、ご相談ください。

骨盤の歪みを軽減するにはいくつかの効果的な方法があります。ストレッチや骨盤矯正、エクササイズなどが骨盤の歪みに効果が期待できると言われています。

まず、日常生活で正しい姿勢を維持することが重要です。正しい姿勢を保つためにも、矯正施術で骨盤の歪みを整え、正しい姿勢を保ちやすくすることが大切です。さらに、ストレッチをすることで骨盤周りや太もも、股関節、腰、背中の筋肉を柔らかくし、バランスを取りやすくなり、歪みの軽減が期待できます。

歪みが長期間続いている場合や、歪みの度合いが大きい場合は、改善に時間がかかることがあります。そのため、根気強く施術を続け、日常生活での姿勢や動作にも気を付けていくことが大切です。