下記の5つの質問の中で該当するものはございますか?
歩く時に膝に痛みはありますか?
椅子から立ち上がる時に膝に痛みは出ますか?
膝を伸ばした時に違和感はありますか?
正座やしゃがみ込む時に痛みはありますか?
歩く時、軋むような音がしますか?
該当するものがあったら「変形性膝関節症」かもしれません。
変形性膝関節症はロコモティブシンドローム(運動器症候群)の原因となる疾患であり、関節の変性を基盤とした非炎症性の疾患です。
変形性膝関節症に対する当院の考え
変形性膝関節症は、加齢によって発症することが多く、50代以降から急増します。また、比較的に男性より女性に多い疾患とも言われています。
女性に多い理由ははっきりわかっていませんが、男性に比べて関節が小さいこと、筋肉が少ないこと、ハイヒールを履くこと、閉経後に女性ホルモンが減少することなどが影響していると考えられています。
この他にも、膝に負担がかかる状態である、肥満や筋力の低下、スポーツ歴などが原因とされています。また、介護職など日頃から膝を酷使する仕事についていると、性別問わず30代や40代でも発症することがあります。
変形性膝関節症の初期症状は、膝関節のこわばる感じや座位を続けた後に立ち上がる際の痛み、歩き始めの痛みなどがあります。一旦歩き始めると痛みは軽快しますが、長時間歩くと再び痛みが生じます。
大部分の症状では膝の内側に痛みが存在します。また、膝窩部の緊張感を訴えたりすることもあります。進行すれば、歩行時や階段昇降時などにも継続的な痛みが生じます。初期には関節可動域はあまり侵されることはありませんが、わずかに伸展と正座が制限されます。
変形性膝関節症を放っておくとどうなるのか
変形性膝関節症を放置すると、関節軟骨がほとんどなくなり、大腿骨(モモの骨)と脛骨(スネの骨)が直接ぶつかるようになり、互いの骨を擦り減らしてしまいます。
骨には再生能力がありますが、常に体重が乗って正しい形での再生ができず横にはみ出した状態で増殖してしまい、歩行時やしゃがみ込みでの痛みが悪化します。
変形性膝関節症によって脚が顕著に変形してしまうと、自力での歩行が難しく杖を使って出歩かざるを得なくなったり、外見的な変化が著しいので「他人に見られたくない」という気持ちから外出を一層避けるようになって引きこもりがちになってしまい、更に悪化したり、関節の顕著な変形にともなって運動機能を阻害して日常生活にも影響を及ぼします。
変形性膝関節症の軽減方法
変形性膝関節症の痛みを軽減する方法には、膝のサポーター、インソール、杖や歩行補助具の使用、温熱療法、運動があります。
膝のサポーターやインソールは、膝関節をサポートすることで痛みを軽減する効果があります。
また、杖や歩行補助具を利用することでも痛みを緩和することができます。
温熱療法は、入浴などで自宅でも簡単にできます。
運動療法では、ストレッチや筋トレ、有酸素運動がおすすめです。
特に運動療法は変形性膝関節症の施術ガイドラインで高く推奨されています。
膝を支える太もも周りの筋肉を鍛えることで、歩行時の痛みを軽減したり、膝への負担を軽くしたりすることができます。また、ストレッチで筋肉をほぐすことは、関節の可動域の維持と向上に役立ちます。
運動療法は変形性膝関節症施術の中心かつ基本であり、重症度にかかわらず常に継続すべきものと認識してください。
変形性膝関節症の軽減が期待できる施術メニューは?
変形性膝関節症の軽減が期待できる当院の施術メニューをご紹介します。
【筋膜ストレッチ】
運動療法によって痛みの軽減や予防改善につながる筋膜ストレッチは、大腿四頭筋(前太もも)とハムストリングス(後ろもも)の可動域を改善・向上させ、膝に対する負担を軽減させます。
【骨盤剥がし】
歩き方を根本的に治す骨盤剥がしは、骨盤周りの筋肉をほぐし、骨盤周りをしっかり使った歩き方にして膝の痛みを軽減します。
【楽トレ】
歩行において姿勢の維持を保つための腸腰筋(お腹の筋肉)を鍛える楽トレをおすすめします。
他にも、集中的に膝の周りの筋肉の痛みや辛さを軽減させる【鍼施術】や【足の極み】などがおすすめです。
患者様の目的に合ったメニューをその場で提案させていただきます。
その施術を受けるとどう楽になるのか
運動療法による筋膜ストレッチは、大腿四頭筋(前太もも)とハムストリングス(後ろもも)の可動域を改善・向上させ、膝にかかる負担を軽減し、痛みの軽減や予防に効果が期待できます。
歩き方を根本的に改善する骨盤剥がしは、骨盤周りの筋肉をほぐし、骨盤周りをしっかり使った歩き方に誘導し、膝の痛みを軽減させ、楽に歩くことができます。
また、骨盤剥がしを通じて臀筋を使った歩行を指導することで、長距離での歩行にも対応できるようにします。
楽トレは、腹部強化を通じて歩行時の姿勢の維持や椅子に座っている時の姿勢の維持を楽に保つことができるようになります。
変形性膝関節症を軽減するために必要な施術頻度は?
指圧によって辛い部分の筋肉をほぐし、全身の筋肉の辛い部分を解消しつつ、筋膜ストレッチでは太もも周りの筋肉の可動域が歩行時に必要な可動域になるまで3ヶ月程度で軽減を目指します。
さらに予防改善まで目指す場合は、半年以上を目安に週2〜3回通っていただくことが望ましいです。
これに伴い、同じ頻度での楽トレ筋力強化は最低でも2ヶ月が必要であり、姿勢の維持も含めて3ヶ月〜半年を目安に3日に1回のペースで通っていただくことをお勧めします。軽減後は定期的な身体のメンテナンスとして、最低でも週1〜3回のペースで変形性膝関節症の再発予防や健康の維持向上に努めていただきたいです。