こんなお悩みはありませんか?

腕を上げるときに痛みがある
投球時、または投球後に肩や肘が痛む
関節の動く範囲(可動域)が狭くなり、スムーズに動かせない
力が入りにくく、全力投球ができない
球速が落ちた、遠投でボールが遠くまで投げられなくなった
これらの症状が見られる場合、野球肩・野球肘の可能性があります。
野球肩・野球肘とは、投球動作の繰り返しや、無理なフォームでの投球によって肩関節や肘関節に負担がかかり、炎症や損傷を引き起こす状態を指します。
成長期の子どもに多く見られる障害ですが、大人の選手でも十分に起こりうるため、早めのケアと適切な対処が非常に重要です。
野球肩・野球肘について知っておくべきこと

野球肩の主な原因は、インピンジメント症候群 と 上腕骨骨端線離開 の2つに分類されます。
● インピンジメント症候群
肩関節を動かす際、肩峰(けんぽう)や烏口突起(うこうとっき)と周囲の組織が衝突(インピンジ)することで炎症や損傷が起こる状態です。投球動作を繰り返す選手に多く、肩の痛みや可動域の制限が特徴です。
● 上腕骨骨端線離開(リトルリーグショルダー)
成長期の選手が繰り返し投球を行うことで、上腕骨近位にある骨端線に負担がかかり、離開してしまう状態です。
好発年齢は 10〜15歳 といわれ、成長途中の骨に過度な負担がかかることで発症します。
【野球肘について】
野球肘では、肘の内側に炎症が起こる「内側上顆炎」 が最も多く見られます。
投球時、肘の内側には強い牽引力(引き伸ばされる力)が加わるため、この部分に負担が集中して発症します。
主な症状としては、下記が挙げられます。
・肘の内側の痛み
・腫れや圧痛
・投球時の鋭い痛み
・肘の可動域制限
症状の現れ方は?

野球肩・野球肘の主な症状は、投球時の痛みやしびれ です。
原因としては、大きく分けて 使い過ぎ(オーバーユース) と 無理な投げ方(ミスユース) の2つがあります。
● オーバーユース(使い過ぎ)
過度な練習や1日の投球数が多すぎる場合、肩や肘に繰り返し負荷がかかり、野球肩・野球肘を発症しやすくなります。特に肩甲骨周りの筋肉や肩関節、肘関節は繰り返しの投球動作で疲労が蓄積しやすいため、投球数の管理が重要です。
● ミスユース(無理な投げ方)
無理なフォームや不適切な体の使い方も、肩や肘への負担を増加させます。成長期の選手はまだ身体の土台作りが十分ではないため、負荷が一部に集中しやすくなります。
例として、以下のような投球フォームはリスクが高いとされています。
・手投げで腕だけで投げる
・猫背になって背中が丸くなる
・股関節をうまく使えていない
このようなフォームで繰り返し投球を続けると、特定の関節や筋肉に大きな負担がかかり、障害の発症につながります。
その他の原因は?

その他の原因として、ウォーミングアップ不足 が挙げられます。
長期間投球をしていない状態で急に投げると、肘や肩に大きな負担がかかり、野球肘・野球肩を発症しやすくなります。また、野球肘・野球肩に限らず、しばらく運動をしていない状態で突然激しい運動を行うと、筋肉損傷やケガのリスクが高まります。
そのため、必ずウォーミングアップで身体を徐々に慣らしてから投球を行うこと が重要です。特に以下の点を意識すると効果的です。
・肩甲骨周りや腕周りの筋肉のストレッチ
・肘のストレッチ
・運動後のアイシング
これらを運動前後に行うことで、肩や肘を痛めるリスクを軽減し、コンディショニングとしても有効です。
野球肩・野球肘を放置するとどうなる?

野球肘・野球肩は、無理をして使い続けると症状が悪化し、手術が必要になるケースもあります。
特にお子様の場合、放置すると成長障害につながる可能性もあるため、少しでも違和感や痛みを感じたら、すぐに安静にして医療機関や接骨院で状態を確認することが重要です。
肘関節や肩関節は、多くの筋肉や靭帯が付着する複雑な構造をしているため、放置しても自然に症状が改善することはほとんどありません。症状が進行すると、以下のような深刻な後遺症につながることがあります。
変形性肘関節症:軟骨がすり減り、関節の変形や痛みが慢性化
腱板損傷:肩の腱が損傷し、日常生活に支障が出る
このような状態になると、長期間にわたり後遺症を抱えるリスクがあるため、早期の対応が非常に重要です。
当院の施術方法について

当院で行う野球肩・野球肘に対する施術の一つが、上半身ストレッチです。
上半身ストレッチでは、上腕・前腕・肩関節周囲の筋肉の柔軟性を高めることを目的に行います。肩や肘周囲の筋肉が硬くなることが、痛みや障害の原因になる場合が多いため、非常に有用な施術です。
また、急性期や痛みが強い場合には、無理にストレッチを行うのではなく、筋緊張を和らげる鍼治療や電気治療を併用して症状の軽減を図ります。
軽度の場合、痛みは2〜4週間ほどで改善することもありますが、上記の施術を行うことで回復を早めるだけでなく、復帰後に再発しにくい体づくりにもつながります。
軽減していく上でのポイント

野球肘・野球肩を改善していく上で、まず 患部に熱感や炎症がある場合 は、運動後に アイシング を行い、お近くの接骨院や整形外科 を受診することが重要です。
痛みがある状態で投球を続けると、最悪の場合 手術が必要になるケース もあるため、早めの対応が大切です。
これらの症状は、主に 肘や肩の使い過ぎ や 体の使い方の不適切さ によって発生します。そのため、練習量の調整 や 投球フォームの見直し によって未然に防ぐことが可能です。
さらに、柔軟性の低下 も投球フォームの悪化や肩・肘の障害につながるため、日常的に上下半身のストレッチを行う ことが大切です。







